モテる社会見学

この世は常に学びに革命が起きている。世の中に創造されていないものに着想と実装を。

【モテるイノベーション】イノベーションとは表現を作ることではなく現象を創ること。現象を創る思考方法について。

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現象の言語化はカテゴリーを創り、市場を作る。

大塚製薬の「イオン飲料▷ポカリスエット」、「バランス栄養食▷カロリーメイト」、「炭酸栄養ドリンク、オロナミンC」など、これらは、世の中に新しいカテゴリーとしてローンチされた後、何十年も持続している、最高にイノベーティブな商品ばかりだと思っている。
次々とローンチされる商品のイノベーション力は筆者にとっては、目を見張るものがあるし、既存の商品のブランディングや、今後の商品展開も楽しみなのだ。

これらの商品は、ひとたび市場に出ると、世の中はあっという間にこれらのカテゴリーを承認し、爆発的な市場を作ったのである。
そして、他メーカーがこれらの新しいカテゴリーに参入し追随し、激戦市場へと化していったのである。
例えば、オロナミンCに追随するかのように、コカ・コーラから「動くカラダの水分補給▷アクエリアス」、アサヒから「1本満足▷シリアルチョコバー」、サントリーから「全力チャージ▷デカビタC」、などなどが追随商品であると言える。
大塚製薬の事例を取り沙汰してみたが、市場がつくられていく様子は一見、自然現象かのように見えるかもしれないが、若しくはそのような商品も多く存在していると思うが、新カテゴリーを世の中にローンチし、そのカテゴリーが大きな市場をつくり、存続し続けられているのには、実はワケがあるのである。
このワケを分析し知ることで、これからの企画やマーケティング、開発、デザインなどの職種に従事する方々にとって有益になれればと思っているのである。

世の中の違和感を捉えている。

モノやサービスが市場価値を持つまで、そもそもどのような経緯を辿ってきて、大ヒットに至るのか説明したいと思う。
実はも元々は、ごく少数のマイノリティによる現象からはじまっているのである。
それは、とても、見逃したり、見過ごしやすい現象なのである。
では、どうやってこの現象を見つけるのであろうか。
これらの現象はマイノリティな現象である為、とても見つけるのが難しいが、あることに意識を傾けられるようになると見つけられるようになる。
それは違和感があるかどうかだ。現象はマイノリティな現象ではあるが、これまで世の中になかった現象である為、突然、世の中に現れるとその現象は、違和感を覚えるのである。
そして、この違和感を見逃したり、見過ごしてはならない

例えば、「自撮り」がそうだ、スマートフォンが普及して、デジカメよりも高性能のカメラが搭載されるようになり、又、それに伴いInstagramTikTokなどのSNSが普及すると共に、消費者はこれらのモノやサービスで自分自身と友達や家族、ペットの他、スイーツや絶景、非現実的なモノやサービスなどなどを撮影し、次々と仲間に向けて投稿しはじめた。
そして、この現象や違和感を見逃したり、見過ごしたりせずに商品化したのが、自撮り棒やスマートフォンのカメラのフィルター機能だったりするのである。

自撮り棒やカメラのフィルター機能がどこのメーカーが最初につくったのかわからないが、その他スマートフォンの関連商材についても、様々な企業が追随し合い、大きな市場へと発展していっているのである。

つまり、マイノリティな現象が「自撮り」という言語化によりカテゴライズさせ、モノやサービスへと商材化され、そしてカテゴライズされたモノやサービスが、世の中に接続しはじめると、市場価値を持ち拡大へと発展してく仕組みなのである。
クリエイティブディレクターの嶋 浩一郎氏は、このカテゴライズされた言語を「社会記号」と呼称しており、「ゆとり」、「駅ナカ」、「リア充」、「終活」、「セクハラ」、「カープ女子」などなどを社会記号と捉え、これらの言語が新たなカテゴリーを創り、モノやサービスを生み市場価値の拡大へと化していくことを伝えている。
この経緯こそが新カテゴリーを世の中にローンチし、そのカテゴリーが大きな市場をつくり、存続し続けられているのには、ワケなのである。

現象をつくることが僕たちの役割

様々なモノやサービスを扱う企業や広告代理店、企画制作会社など、企画やマーケティング、デザイン、開発などの職種に携わる方々にとって、目を凝らして、上記の現象を誰よりも早く捉えカテゴライズすることが醍醐味であると言っても過言ではないと言いたい。
例えば、企画書ひとつにとってもそうだ。
僕たちは、真っ白の用紙に体裁の良いフォントで見栄えのいい画像やグラフを差し込むことが目的ではない。
僕たちの目的は、モノやサービスを世通じての中にどんな現象を創れるのか、コアアイデアを解像度の高い表現で言語化し、クライアントと同期し、社会と接続させる為に実装することなのである。

おわりに

モノやサービスのコモディティ化が急激に進み、次々とローンチされれモノやサービスに、もしかしたら課題なんてもはやないのではないのかと思うことが多々ある。そんな時、いくつかの自分の中にある正解パターンのアイデアを引き出し
それを指し示しそうになることがあるが、それはそれで間違いではないのだが、ひと呼吸おくことにしている。
その提案は、世の中にどのような現象を創れるのかと。
これを自問自答して答えられないのであれば、提案する価値がないものだと決定づけるようにしている。
何故なら広告主にあたる企業は、商品を売ることが目的であると同時に、自分の企業をどのように社会と接続するべきなのか、理念があったり、ブランディングに関わる為、商品を通じてどのような現象が起こそうとしているのか、認識しておきたいたいのである。
つまり、自社製品が売れることを前提として、どのような現象を起こすことになるのかを求めているのである。
我々はその期待に応えられるように、緻密に世の中を観察し、分析し、時には実験を行うことで、現象を起こす科学者でもあるといっても過言ではない。

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